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ルーペ豆知識

❈ 無塩素漂白パルプ

❏ パルプの漂白 ❏

現在、パルプを漂白する際に塩素を使用しています。
この塩素が焼却の際、他の有機物と反応してダイオキシンに変化します。
日本の製紙メーカーのほとんどは酸素漂白という方法を採用しています。
酸素漂白も塩素を使用しますがその使用量も少なく、ダイオキシンの発生は問題ないレベルだと云われています。
しかし、アメリカでは1998年にクラスタールールが施工され、無塩素漂白パルプへの転換が始まっています。

  • 無塩素漂白パルプ
    製紙メーカーによっては[エコパルプ]と言う名称になっていたりしますが、 塩素をほとんど含まない為、焼却時にダイオキシンの発生がほとんど無く 「人にもやさしい紙」として再生紙・非木材紙と共に注目を集めています。

❏ クラスタールール ❏

1998年に発効したアメリカの環境規制法。
紙パルプ工場から排出される有害物質に対して、大気や水など幅広く規制する法律で、特に有機塩素化合物の排出について厳しい基準が定 められています。
パルプ製造に対してECF 化が2001 年から義務づけられるため、アメリカでは急激にECF 化が進んでいます。

❏ ECFとTCF ❏

  • ECFはElemental Chlorine Freeの略で、直訳すると「基本的には塩素を使わない」となります。
    パルプを漂白する際に塩素そのものは使わないが、二酸化塩素などで代用するというものです。
    しかし、元素レベルでは塩素を含むため微量ながら塩素化合物が残ります。
  • TCFは Total Chlorine Freeの略で「全く塩素を使わない」と言う意味です。
    その名の通り、元素レベルでも塩素を使わず、酸素、オゾン、過酸化水素などで漂白します。
    現在、無塩素漂白パルプと云うと、そのほとんどがECFです。 その理由は、コストの問題もさることながら、TCFでは繊維を痛めるので再生しづらい為だ と言われています。

❏ 無塩素漂白パルプの今後 ❏

    日本の製紙メーカー各社も無塩素漂白に取組みはじめ、ここ数年のうちに無塩素漂白パルプを使用することをほとんどのメーカーが表明しています。
    無塩素漂白パルプの中ではTCFは減少傾向にあり、ECFやECFを元にした新技術が主体となっていくと言われています。