豆知識
❈ うらうつり
❏ うらうつりとは ❏
一般に「うらうつり」と言われる現象には次の4種類があります
- 裏移り
1枚目のインクが乾く前に2枚目が重なり、2枚目の裏に1枚目のインクが付くこと - 裏ヌケ
インクが浸み込んで裏まで抜けてしまうこと - 透ける
紙が薄くて裏側のプリントが透けて見えること - コスレ移り
表面のコーティングが粗いため、接している面のインクをヤスリように削って汚れてしまうこと
❏ 裏移り ❏
1枚目のインクが乾く前に2枚目が重なり、2枚目の裏に1枚目のインクが付着すること、又はインキが乾ききっていない状態で積み上げて紙自体の重さや、断裁時の圧によって 接している面にインクが付着すること。
おもて面と同じ図柄が付着するため裏ヌケと見分けられないことがある。
オフセット印刷(一般の印刷業者さんの印刷)で言う「うらうつり」はこの現象を指します。
-
【対処方法】
- インクジェットプリンターの場合
1枚ずつプリントする。あるいは、プリントアウトされた紙を拾い上げて 別の場所に広げる。 - レーザープリンター(コピー機)の場合
凹凸の有る紙にプリントすると定着しきれなかったトナーが接している面に付着することがあります。
この場合、時間をおいても定着しないのでハケなどでトナーを取り除くしか方法がありません。プリントの際に紙の種類を「厚紙」にするのも一つの方法です。
その他レーザープリンター(コピー機)の場合でプリントしたものを積み重ねておくと裏移りしている...と言うより、紙が貼り付いていて離した際にトナーが転写されていることがあります。原因は主に、熱、湿気、圧力です。
対処方法は、保管する際高温多湿を避ける、高く積み上げない、押さえつけない。などです。 - オフセット印刷の場合
紙をたくさん積み上げないでこまめにスノコ取りする。
印刷後、断裁など次の工程まで充分に乾燥時間をとる。
❏ 裏ヌケ ❏
インクが浸み込んで裏まで抜けてしまうこと。
紙が薄い場合やインクが浸み込みやすい紙の場合、プリンターの機種によっては裏ヌケしやすい場合があります。
-
【対処方法】
- インクジェットプリンターの場合
EPSON…プリントする際紙の種類を「フィルム」にしてみる
CANON…「色の調整」を「マニュアル調整」にして濃度を下げてみる
- レーザープリンター(コピー機)の場合
通常ありえません。
- オフセット印刷の場合
通常はありません。
もしこの現象が起こった場合、紙を代えるか図柄を代えるしか方法がありません。
❏ 透ける ❏
紙が薄くて裏側のプリントが透けて見えること
【対処方法】
透けて見えるのは主観ですのでそれぞれの人によって見え方が違います。
対処方法は紙を厚くするか紙の種類を代えるしかありません。
その他、印刷の色を淡くする...保険の約款などグレーの印刷にしてあるのはそのためです。
文章の場合は、おもての文字位置と裏の文字位置を合わせる。市販の本はこうなっています。
❏ コスレ移り ❏
表面のコーティングが粗いため、接している面のインクをヤスリのように削って汚れてしまうこと。
マットコートや ふわっとグロスの紙 でよく発生する現象で「裏移り」と混同されやすい。
「裏移り」はインキが乾くと発生しないので時間が解決してくれるのに対して、コスレ移りは 乾いてから発生するので対処方法が異なる。
-
【対処方法】
- インクジェットプリンターの場合
通常はおこりません。 - レーザープリンター(コピー機)の場合
通常はおこりません。 - オフセット印刷の場合
ニス(マットニス)でコーティングする。
紙の表面に印刷しない部分が残らないような図柄にする。
冊子の本文のように紙が擦れない状態を作る。
※ 一般に「インク」は水性、「インキ」は油性を表すそうです
※ 紙名手配ではオフセット印刷の場合は「インキ」その他の場合はインクと表現しています